優先株式とは、配当が多くもらえるなど普通株式に対して一部優先的な権利をもつ株式です。
優先株式は基本的に市場に出回ることがなく、個人投資家が目にすることはあまりありません。
但し、一部の優先株式は個人投資家でも購入することができます。
今回は、そんな優先株式への投資と優先株式ETFのおススメ銘柄をご紹介します!
優先株式に投資するには?
優先株式に投資する方法は大きく2種類あります。
- 優先株式を購入する
- 優先株式を保有/運用するETFなどの投資信託を購入する
以下少し説明いたします。
優先株式への投資
優先株式への投資として、一番直接的な形は優先株式を購入することです。
但し、先述の通り 優先株式は基本的に市場で出回ることはありません。
そんな中、個人投資家でも購入可能な優先株式として伊藤園の優先株式があります。
現在、日本の市場で上場な優先株式は伊藤園の第一種優先株式(25935)のみとなります。
伊藤園の優先株式についてはコチラの記事で詳しく紹介しています!
⇒【優先株式】配当が1.25倍!?伊藤園(2593)の配当や株主優待をお得に受け取ろう!
優先株式ETFへの投資
優先株式への投資として、優先株式を保有運用しているETFなどの投資信託を購入する方法があります。
ETFなどの投資信託は、複数の企業に分散的に投資できるメリットもあるため、個別の銘柄を購入するよりもリスク分散が可能です。
優先株式のETFでおススメの銘柄は以下の二つとなります。
- 【PFF】iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF
- 【PFFD】グローバル X 米国優先証券ETF
こちらは優先株式のETFといえばこちら!という代表的な銘柄になります。
ここからは「PFF」と「PFFD」について違いや注意点など解説したいと思います。
PFFとPFFDの比較
PFFとPFFDの主要な違いは以下となります。
名前は似ていますが、運用会社は異なるため、完全に別物になります。
優先株式は配当が多く得られるため、ETFについても分配金の利回りが高くなっている点が特徴となっています。
コード | PFF | PFFD |
名称(日) | iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF | グローバル X 米国優先証券ETF |
運用会社 | BlackRock | Global X |
設定年度 | 2007年3月 | 2017年9月 |
運用規模 | 202億ドル | 24億ドル |
基準価額 | 39ドル | 25ドル |
経費率 | 0.46% | 0.23% |
分配利回り | 4.42% | 5.07% |
配当月 | 毎月 | 毎月 |
2021年10月24日時点での情報となります。
PFFは歴史があり、規模も大きい代わりに、経費率が高く分配利回りが低め、PFFDは歴史が浅く、規模も小さい代わりに、経費率が低くや分配利回りが高めとなっています。
一般的に歴史は深いほど、また規模は大きいほど信頼性や安定性が高いですので、リスクやリターンをどうとらえるかでどちらがよいかを検討してみるとよいかと思います。
また、経費率についてはコチラの記事でも紹介しています!興味のある方はご覧ください!
⇒投資信託・ETFの信託報酬はいつ支払うの?NISAの場合は?相場は?
優先株ETFの価額パフォーマンス
優先株式ETF、PFF・PFFDの配当を考慮しない純粋な基準価額のパフォーマンスについて見ていきたいと思います。
【PFF】iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF
まず、PFFの上場来の基準価格推移になります。
■PFF基準価額チャート
こちらに米国の代表的な指数S&P500(水色)の比較を追加したチャートが以下になります。
■PFF基準価額チャート (+S&P500)
【PFFD】グローバル X 米国優先証券ETF
PFFDの上場来の基準価格推移になります。
■PFFD基準価額チャート
こちらに米国の代表的な指数S&P500(水色)の比較を追加したチャートが以下になります。
■PFFD基準価額チャート (+S&P500)
PFFとPFFDどちらも一時的に暴落がありますが、基本的には横横のチャートとなっていることが分かります。S&P500の指数と比べるとわかりやすいですが、値上がり益がほとんど期待できないことも併せて分かります。
PFF・PFFDなどの優先株式ETFでは、配当によるインカムゲインを狙っていく投資スタイルが基本となります。
またチャートからも分かりますが、リーマンショックやコロナショックなどの暴落時には通常の株式同様に暴落します。
横横のチャートとはいえ、暴落に強い銘柄というわけではありませんので注意してください。
PFFとPFFDのトータルパフォーマンス比較
優先株式ETFの醍醐味は分配金の利回りの高さです。
ここからは分配利回りを含むトータルのリターンを見ていきたいと思います。
PFFDの運用開始は2017年9月ですので、2018年以降のパフォーマンス比較を見ていきたいと思います。
比較を見るとパフォーマンスでは、PFFDが上回っていることが分かります。
基準価格自体は先述の通りどちらも横横で変化に大きな差はありません。
パフォーマンスの差は経費率と分配利回りの影響が大きいです。
但し、PFFDはまだ運用開始から年度が浅く、今後も現状の配当利回り価額推移を維持できるかは注視していく必要があります。
まとめ
優先株式への投資と代表的な優先株式のETFについてご紹介しました。
優先株式や優先株式ETFは配当及び分配金は多く受け取ることができますが、基準価額のパフォーマンスは悪く値上がり益は期待できません。
代表的な優先株式ETF銘柄としては、【PFF】iシェアーズ優先株式&インカム証券ETFと【PFFD】グローバル X 米国優先証券ETFがあります。
それぞれ良い点、悪い点があるので、実際に購入を検討する場合には、多角的な視点から検討してみてください!