最近は、日本株だけでなく米国株も手軽に投資できるようになっています。
選択肢があるのは嬉しいことですが、日本株だけでもたくさんあるのに、加えて米国株もとなるとどうやって選べばよいのか迷うこともあるかと思います。
そこで今回は日本株と米国株にどのように投資していく形がよいのかパターン別に考えていきたいと思います!
日本株vs米国株
日本株は日本の証券取引市場に上場している銘柄で、日本円で取引可能な銘柄です。
米国株は米国の証券取引所に上場している銘柄で、米ドルで取引可能な銘柄です。
グローバル展開している企業も多いですが、基本的には日本に上場している銘柄は日本で事業・サービスを展開しており、米国で事業・サービスを展開している企業となります。
また、米国市場でもトヨタやキャノン、三井住友ファイナンシャルグループなど日本の企業が上場していることがあります。また逆に日本市場においても、米国やそのほか海外の企業が上場しているケースもあります。
日本株と米国株の比較
日本株を代表する指数としては、日経平均株価やTOPIXがあります。
また米国株を代表する指数としては、NYダウやS&P500といったものがあります。
これらは上場する株価をベースとした指標であり、株式市場全体のパフォーマンスを見るのに有用な情報となります。今回はこちらの4つの指標をベースに日本株と米国株のパフォーマンスの比較を行いたいと思います。
日経平均とTOPIXについては以下の記事で紹介しています。
⇒【株式投資】日経平均が上がっても自分の持ち株が上がらない!日経平均の特性を理解して指標を確認しよう!
ベンチマーク指数の比較
具体的に比較していきたいと思います。
比較対象とする指数は以下4指標となります。
- 【米国市場】NYダウ
- 【米国市場】S&P500
- 【日本市場】日経平均
- 【日本市場】TOPIX
まずは過去5年ほどでのチャート比較になります。
以下の結果となりました。やはり米国株は強いです。
【米】S&P500 > 【米】NYダウ > 【日】日経平均 > 【日】TOPIX
次に過去10年ほどでのチャート比較になります。
以下の結果となりました。5年10年ではあまり変化がないですね。
【米】S&P500 > 【米】NYダウ > 【日】日経平均 > 【日】TOPIX
さらに期間を延ばして過去20年ほどでの比較となります。
はい、変わらずです。 期間が長くなるとさらに差が開いている印象があります。
【米】S&P500 > 【米】NYダウ > 【日】日経平均 > 【日】TOPIX
結果を総括すると、以下の順序となりました。
【米】S&P500 > 【米】NYダウ > 【日】日経平均 > 【日】TOPIX
但し一点注意点があります。
原則この順序となりますが、期間の指定次第では多少順序が入れ替わることもあります。2012年から比較した例ですが、日経平均とNTダウがひっくり返っています。
ただ全体としては、ほとんどの期間設定において米国市場が強いです。
ETF:指数連動型の投資信託
日本株と米国株では全体のパフォーマンスとして米国株が高いことが分かりました。
現在ETFなどの投資信託として人気のものは指数に連動するものが多くなっています。
こちらはSBI証券の投資信託販売金額ランキングになります。(2021/11/20のランキング)
S&P500インデックスなど指数に連動する投資信託商品が人気であることが分かります。
過去の株式市場のパフォーマンスは米国株が優れています。つまり、指数に連動するETFなどの投資信託を購入するのであれば、日本の株式市場のインデックスよりも米国のインデックスの方がリターンの期待値も大きくなります。
過去が未来と同様の結果になるかは分かりませんが、今後の人口増加や企業の成長率などを考慮しても、やはりETFなどの投資信託は米国株の方がおススメであると思います。
個別株:地の利を生かした取引
日本株と米国株では全体のパフォーマンスとして米国株が強いです。
指数に連動するETFなどの投資信託を購入する場合は、米国の方がリターンの期待値が大きいですが、個別株については少し事情が異なります。
理由①:日常生活や仕事などでの実感
日本の企業は基本的に日本で事業を展開しています。
そして日本での企業活動から利益が発生し、企業の業績も上がっていきます。
グローバル展開する企業も増えているとはいえ、日本企業は日本で会社を設立し、業績を上げ、上場し、現在に至っている企業がかなり多いため、日本での事業は企業活動のベースになっています。
これは米国株についても同様です、創業当初は米国で事業を展開し、グローバル企業になっていきます。以下はフェイスブックの創業当初の様子です。
2004年にマーク・ザッカーバーグと、ザッカーバーグのハーバード大学のルームメイトで同級生だったエドゥアルド・サベリンが創業した。その後アンドリュー・マッコーラム、ダスティン・モスコヴィッツ、クリス・ヒューズなどが加わった[3]。当初は、会員はハーバード大学のドメインのメールアドレスを持つ学生に限定されていたが、ボストン地域の大学、アイビーリーグの大学、スタンフォード大学へと対象が拡大されていった。徐々にさまざまな大学の学生も対象に加わり、やがて高校生にも開放され、最終的には13歳以上のすべての人に開放された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Facebook
すなわち私たちの日々の活動によって、株価の基礎となる業績が決定されているといってもそこまで過言ではありません!笑
スーパーやコンビニで商品を買い、家賃を払い、映画館に行き、ショッピングに行き、電気代を払い…
そういった私たちの日常が株価につながっていきます。
「最近どこどこのコンビニの商品は、ご飯の量が少ないなあ」
「近くにできたなんとかっていうホームセンターめちゃくちゃ安いなあ」
「旅行行くけどどっかの予約サイトはポイントめっちゃついてお得って友達いってたなあ」
「この動画サービス友達が面白いっていってたなあ」
このような小さな感想や口コミ、経済活動が徐々に広がっていき、浸透し、次第には大きな業績への影響となっていきます。非常に価値のある情報なのです。
ワークマンの株価は上場から30~40倍になっています。
私もここ最近で株価が急騰する少し前ぐらいに「ワークマン安くて丈夫やし、便利」とちらほら聞くようになりました。いや建設系の仕事してる人ぐらいしか商品買わないだろうと思っていたらこの有様です。失敗しました。買えばよかったです。
こういった小さな気づきによって、業績発表前に好業績の情報をつかむことができるのです。
逆もしかりで、サービスや商品の質低下や競合の登場で、それまで使っていたけれど使わなくなるというケースもあると思います。業績の悪化もいち早く察知することができるのです。
私個人としては『Youtube』を見るようになってから、ヘビーユーズしていた『ニコニコ動画』は一切見なくなりました。
あくまで私一人ですが、同じように切り替えている人は多いと思います。その切り替わりを自分の体験・周囲の空気感から察知することができるのは圧倒的な優位性となります。
ちなみにこちらのことは、以下の書籍で気づかされた内容になります。
米国株式についての本ですが、ワークマンでの失敗がまさに当てはまっていたので、もっと早く読めばよかったと後悔しています。
海外投資家にとっては、この日常的な口コミや広がり、空気感を感じることが難しいのです。
これは私たちが外国の株に投資する際にも同様のことが言えます。
理由②:配当控除
日本株の配当については税制度上の優遇措置があります。
配当控除と呼ばれる制度で、国内株式等の配当等については、一定の方法で計算した金額の税額控除を受けることができるのです。
国内株式の配当は、企業に法人税が課された後の利益が対象になりますが、ここにさらに所得税などが課されると二重課税になります。これらを軽減する目的でなされているのがこの配当控除となります。
要するに配当にかかる税金が一部返ってくる場合があるのです。
こちらはあくまで日本国内に本店のある法人からの配当等に限られるため、米国株式の配当はこの控除の対象に入りません。
但し、その他の所得との関連で配当控除により必ずしも税金が還付されるわけではありません。
詳しくは国税庁のホームページなどをご確認ください。
国税庁HP:No.1250 配当所得があるとき(配当控除)
つまり個別株は?
個別株は日本株をおススメします。
配当控除はあくまでおまけ的な部分になりますが、自分での体験や空気感を得られるという部分は圧倒的な強みであり、外国投資家などを出し抜く大きな武器となります。
もし日頃自分が使っているサービスや使っている商品などあまり意識してこなかったという方は、日常にある何気ない部分にも是非目を向けてみてください!
まとめ
今回の内容についてです。
・日本株と米国株では、全体のパフォーマンスを比べると米国株が高い
・指数連動型のETFや投資信託を買うのであれば、米国株がおススメ
・個別の株式であれば、地の利を生かせるので、日本株がおススメ
日本にいると、日本の企業のサービスや商品を実際に体験したり、口コミを集めやすいなどの利点があります。普及し始めのサービスにいち早く気づけたり、業績の悪化なども日々の生活の中で感じることもでき日本にいるだけで、日本株の取引は外国の投資家よりもはるかに優位に立てているので、自信を持っていきましょう!